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社外取締役メッセージ

社外取締役 ハロルド・ジョージ・メイ

社外取締役
ハロルド・ジョージ・メイ

サステナビリティは、単に活動の報告ではなく、企業として当たり前の事業活動である利益創出と同時に、あらゆる面で、持続的な社会課題解決の取り組みとその背景や手法が正しいかどうか、いわば企業のモラルが問われる基準になっています。
コンプライアンス、環境保全、社会への利益還元という貢献、中でも人権尊重、多様性や平等性、安全への取り組み、コーポレート・ガバナンスの機能など、今後100年でも200年でも継続できる企業になれるかどうかが問われているのです。
最初にコーポレート・ガバナンスについてお話しします。私は社外取締役として、2020年 から4期務めています。社外取締役ですから、経営者がガバナンスの職責を果たしている かを監視することが一つの役目です。正しく経営権が行使されているかという企業経営の 監視、つまり経営者が株主投資家のためにきちんと戦略・戦術を立てて実践しているかを確認すること、そして社外取締役それぞれが違ったプロフィール・スキルに基づく専門的なアドバイスを行うこと、プロパー社員ではないからこその客観的な意見を言うこと、さらに大事なポイントですが、リスクのバランスをチェックすることです。これは、リスクを重く捉えすぎて慎重になりすぎていないか、逆に軽く捉えて、やりすぎていないかなどを見ています。
東京証券取引所がコーポレート・ガバナンスコードを改定し、上場企業に対しての開示内容の充実を求めましたが、アース製薬でもこれに対応して、私たち社外取締役を含めた専門性などのプロフィールやスキルをまとめたスキルマトリクス、選任された理由、役員会への出席率などを開示しています。
現在、アース製薬単体、グループ会社、子会社含めてガバナンスは機能していると思います。その証左の一つとしてあげたいのは、アース製薬が社内の規程・規則の見直しを定期的に行い、必要に応じて改定しているということです。今の時代に則しているかどうかの検討を行うことは意外と見落としがちです。一度作ればそれでよし、ではないということをきちんと理解し、実践しています。また、これは以前にも言及したことがあるのですが、役員会開催日前に資料が私たちに届けられ、必要に応じて担当者からのヒアリングを行い、さらに社外取締役だけの「勉強会」と題した会議を経て役員会に臨むことができるという点です。さらに正式な役員会とは別に、経営者ともっとフランクに意見を交換する会も設けられています。そして、取締役は、第三者(弁護士)による役員会評価アンケートに毎年答え、評価される仕組みを持っています。これによって、私を含めた社外取締役、役員が自己の発言、提案、作成資料などをよりよく修正し、効果的にすることにつながっています。

話をサステナビリティに戻しますが、サステナビリティ活動に取り組むにあたって重要な のは長期的な戦略および、それを社員にわかりやすく説明し、浸透させることです。会社がいかに素晴らしいことを言っても、個々の社員が仕事を通じて、あるいは自分の家庭でも何かしらの行動に出なければ、本当にサステナビリティの取り組みがうまく機能しているとはいえません。個々に落とし込むためのプラン、コミュニケーションが重要なのです。加えて、日本国内の考え方がすべてではなく、例えばアースグループがグローバルで事業を展開する地域に合ったサステナビリティの課題設定と優先順位が必要です。
特に最近、多様性、ダイバーシティがサステナビリティの取り組み課題としてクローズアップされています。これは主に男女や国籍、宗教や文化の違いを相互に認めていくことといわれています。そのための方針や規程の作成、職場環境の整備が行われていますが、本当の意味でのダイバーシティは、お互いの「考え方の違い」を認め合えることもその一つだと思っています。相手の考え方を知る、そのためには「聞く耳を持つ」ことです。サプライチェーンの取引先の話を聞く、エンドユーザーであるお客様の話をキチンと聞く、社員同士で互いの意見を聞き、違いを認め合えること。これが浸透していくとアースグループのサステナビリティも進化していくのではないでしょうか。

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